【SHURE】 購入レビューAONIC5 はハイエンドへの橋渡し

SHURE イヤホン AONIC5 ワイヤード(有線)
SHURE イヤホン AONIC5

初めまして、ぽんこつロックです。

このブログ、ぽんこつロックの記念すべき初レビューはSHURE のAONIC5とさせていただきました。

理由は,筆者ぽんこつロックが初めて買った”フラグシップ”と呼べるイヤホンだからです。まあシリーズで、ですが…

筆者は今までもいくつかイヤホンを購入してきましたが、そのほとんどは1万前後のエントリーモデルでした。なぜ初めて買う高級イヤホンとしてこのイヤホンを選んだのか,しばらく使ってみて分かったことなどを音質の評価と併せて書いていきたいと思います。

開封

色はクリアにしました。SE535LTDとも違う鮮やかなレッドがとてもかっこよかったので、そちらと迷いましたが、残念ながらレッドが似合うような容姿を持ち合わせていなかったことを思い出し、クリアにした次第でございます。ちなみに、購入日は2020年12月なので一年前ですね。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

外箱。箱は丸っこいですが、下にちゃんと滑り止めがついているので転がりません。正面に大きくプリントされたAONIC5がかっこいい!

開封。きれいに入ってます。

 

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

イヤホンケースの中はこんな感じ。めっちゃぎっしり入ってる。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

付属イヤーピースたち。SE上級シリーズおなじみのイヤーピースに加えてCOMPLYのPシリーズもついてきます。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

ちなみに、Pシリーズのイヤー―ピースは、内側のプラスチックチューブが耳に当たっていたくなったため、筆者は使用をやめています。写真だと赤い奴ですね。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

ノズル交換用機器。これのチューブ状のところにノズルが入っています。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

デビュー当時(開封当時)の御尊顔。めたかっこいい。

音質

音質についてですが、ノズル交換できるので、ノズルごとに分けて書いていきたいと思います。また、イヤーピースは標準のイヤーピースで行いました。

また、試聴環境はwalkman A106 、Shanling M3X、Shanling UA2で行いました。

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

スタンダードノズル

SE535譲りの高音の伸びを持ち合わせたバランスのいい音

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

最大の特徴としては、やはりSE535譲りの高音の伸びと、そのフラットな音作りだと思います。私はSE535シリーズはボーカルが近すぎることもあり遠慮していたのですが、AONIC5はSE535よりも一歩ボーカルが引いてくれていて、ちょうどいい塩梅にバランスが取れています。

高域、ボーカルの伸びが気持ちいいです。高域がすーっと伸びることによって、より広大な音場を味わうことができます。先ほどボーカルが一歩引いてくれたと書きましたが、それはSHUREの中でであって、ボーカルはひっこまず、ちゃんとセンターで歌ってくれます。ボーカルもちゃんと分離していますが、ハモリも気持ちよく聞こえます。

このボーカルの質感はSE846系統ではなく、SE535系統の音を引き継いでいるといえると思います。逆にSE846のあの独特のつやを求めている人はAONIC4があうと思うので、そちらを試聴するといいかなと思います。

また、同価格帯ののイヤホンの中で断トツでボーカルの再現度が高いと思います。筆者はよく米津玄師の曲を聴くのですが、その曲中で使われているボイスパーカッションすらも”人の声”として再生されます。こういう”人の肉声”の再現はSHUREが一番だと思います。SE535に比べてボーカルが一歩引いたからか、音に余裕ができ、立体感があると思います。ちゃんとリスニング用途として作りこまれているなと思いました。

誰も書いている人がいませんでしたが、ダイナミクスにも目を見張るものがあると思います。盛り上がるところできちんと盛り上がってくれるのはさすがSHUREだと思います。

ウォームノズル

温かい低音と厚みのある音

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

ウォームノズルは、スタンダードノズルに比べ低音の厚みが増し、全体的に少しどっしりした音になります。加えて高音の量は減ってしましますが、AONIC5の持ち合わせている高音の伸びは損なわれないですし、加えて、全体的に高音が減衰しているからかハイハットなどの金物系の音がスタンダードノズルにくらべてハッキリ聴こえます。また、全体的に音色が暗めになった影響かドラムのタムの響きが多くなり、しっかりした音になります。

ボーカルも気持ち暗めになりますが、AONIC5らしさは崩されません。低音は丸く、厚みが増します。そのおかげか、低音の耳障りがとてもよく、音量が大きいわけではないのに思わずベースラインを追ってしまいます。

欠点と言っては何ですが、ウォームノズルにするとダイナミックレンジが減ったように感じます。また音場も少し狭くなることもあり、スタンダードノズルやほかのDD機種を聴いた後だと音場が平たんに聴こえてしまいます。

ブライトノズル

鮮明な高音と柔らかなボーカルを併せ持つ音

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5

ノズルをブライトノズルに変えてみると、響きも軽くなって音が全体的に明るくなります。音量だけでいえば、SE535LTDよりも中高音があります。SE535LTDと比べてかなり中高音が鮮明になります。また、ボーカルが少し柔らかくなりますが、高音は大した量は出ていないのにもかかわらずキンキンして少しうるさくなるので、人を選ぶものになると思います。最初は好印象なんですけどね…

低音も低いところが出なくなり、かなり丸くなったように感じます。それにより量感は減りますが、リズム感は良くなるので悪い印象は持ちません。むしろ、ボーカルを中心とした中高音が前に出てくれる、という意味では長所をよく出していると思います。こういう面を見ると、何となく今は亡きCampfire AudioのIOを思い出しますね。

中高音をきつくなる手前まで出して、低音はひかえめ、みたいなところが。まあ、ボーカル含む中高音の質が全然違いますが…

ブライトノズルもウォームノズルと同じように、スタンダードノズルと比べてダイナミックレンジが少ないように感じます。常に元気な音調で鳴ってていていて抑揚がないイメージですね。

総評

使い勝手

そのままで十分

使い勝手としては、安定のシュアというべきか、装着感もよく、耳掛け式の恩恵もあってかタッチノイズも気になりません。ケーブルはマイク付きですが、下手なケーブルを買うよりもチューニングを合わせてあるこのケーブルのままのほうかもしれません。しかし、ケーブルがかなりゴム状のため、まとめにくいです。巻きぐせはつかないんですけどね、、、

ノズルはちょっとガタガタします。ちょっとやそっとでは壊れることはありませんが、ノズルの二本のでっぱりによって固定されていることを考えると、寝ホンとかは無理ですね。まあ、SHUREのイヤホンは全部無理ですが。結局、バランス接続したい、とかこのケーブル使いたい、という人以外は純正でいいと思います。というか、SHUREさんは付属で完結してほしいがために付属品こんなに出しているんじゃないか、なんて思ってしまいます。

音質総評

SHUREの音というより、ハイエンドの音

SHURE イヤホン AONIC5

SHURE イヤホン AONIC5 皆さん裏側から撮ってないので

SHUREの音といえば、のっぺりと耳元に張り付くように熱唱するボーカルと、全くピークを感じさせない伸びを意識した高音、タイトな低域にEtymoticなどでもみられるBA特有のボーカルのピークなどが特徴ではありますが、AONIC5をよりじっくり聴くと、たしかにSHUREの音を引き継いでいますが、同時にフルBAの特徴である音の濃密さを出していると思います。

特にウォームノズルの音作りは、いわゆる”ハイエンドマルチBA”と呼ばれるものの音作りだと思います。この記事を読んでいただいている皆さんはどうかわかりませんが、筆者は初めてJH Audio のLaylaを聴いたときに、音はもっさりしてるわ音場は平べったいわで全然印象がよくありませんでした。今でこそLaylaの音を理解できますが、あの時Laylaの音がまったくよく思えなかったのは、Laylaの持ち合わせる音の厚みと、BA特有のこもりが、そういう印象を与えてたからだと思います。思えば、その時筆者はSE215speなどのDD機しか持っていなかったのでBAの音に慣れていなかったせいかもしれません。対して、AONIC5は多少音のこもりを感じたものの、同価格帯のIER-M7と比べても当時の私の聴感上一番フラットで、音場が広く感じました。SHUREらしさを出しながらも、マルチBAの欠点であるこもりをうまく抑え込んでいるところは、エントリー機からハイエンド機への橋渡しのような役割をしているところだと思います。

またAONIC5のほかのよさは、”マルチBA”らしさを全面に押し出した「ウォームノズル」、万人受けする”ザ・優等生”な音作りの「スタンダードノズル」、SE535LTDを沸々とさせる中高音を際立たせた「ブライトノズル」を使い分けられることだと思います。こう言った点は、ステップアップを狙っているひとたちに最適だといえます。

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